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2010年4月30日 (金)

色萌えて朽ちてまた…

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記憶には窓からの景色があった。

まだ木立は閑散としながら色を食みだす春
見飽きた山々の形を変えるほどに緑が山肌を食い荒らす夏
どこへ向かうのか赤く死に急ぐ秋
全ての勇み火を吹き消して和をもたらす冬

幾度も見て 何度も見飽きて その都度思い出す。
記憶が色褪せないように 景色も彩ることを止めようとはしない。

それが自然というもので 私もそのほんの一片の彩りです。

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光ありて色 光ありて闇
花淡く 行く色なれど 散りて尊ぶ

景色に「濁り」というものはあまり感じない。
「淀む」ことはあっても濁らない。
濁るのはいつも人の目であって心です。
あのときは 色に染まりすぎたのか 求めすぎたか…

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わけはさておき
混ざり合い 溶け合って 淀み 濁っても
時はそれらを沈めていく。
主のいない家の中で音もたてずに積もる埃のように

あれほどに行く先も怪しいことが
時に濾過されて不純物は取り除かれて光輝いてくる。
それほどに悲しかったことも 悔しかったことも 情けなかったことも
アルバムに閉ざされた写真のように鮮やかに蘇ってくる。

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「あの頃は良かったねーっ」 「あの頃は大変だったよねーっ」と笑う。
でも その「あの頃」には濁りが視野を狭くしていたのか
とても笑えることではないものです。

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それも これも 体あってのこと。
屋台骨が崩れてしまえば 内包していたもの共々時の彼方

死に急ぐことなかれ 
行き急ぐこと幸多かれ

そおいうものだと思いますよ
取り返しのつくことだって 色々あるさ…

そう!「色」。
色とりどりの色。色が萌える

やさしく そして残酷に

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