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2008年8月25日 (月)

骸の道

Dscf9221

道が変わり続ける
回りの風景とひとつになってどこまでも続く
いつも変わり続ける道を通り抜けるだけだから
いつも変わった事に気がつかない

Dscf9219道は覚えるのか 景色で覚えるのか 
雑草が並木みたいに育った誰も歩かない歩道
センターラインを横切るヒビが緑の血管になり

命の証を向こう側へ渡す

道を忘れない 道を思い出せない
表面温度を上昇させて、血流速度があがっていく
忘れられた道は 静脈瘤のようにクリップで留められて
記憶の本流からも消えていった

グレーの血管を流れる色とりどりのヘモグロビン
大きいものや 小さいものや 新しいのや 古いもの 
少しでも早く 少しでも先に

ここは、とある峠道の途中。
かつては難所とされましたが道の整備もどんどん進み、今では通年を通して快適な道になりました。
始めて通った頃は、まだ整備途上というか砂利道と道路工事の交差待ちが多くて快適とは程遠い状況でした。
いまや、そんな面影も残らないほど整備が進み、トンネルの入口にレリーフをあしらったりして砂埃の立たない舗装路面を景観を楽しみながら通り過ぎることができます。

Dscf9233 そう「通り過ぎる道」。ほとんどの場合、ここは道央・道南へ向かう通過路で、峠が目的で来る人は林道マニアとか周辺の自然を楽しみに来る人たち程度で、札幌へ向かう道すがらというのが正直なところでしょう。
途中はトンネルや覆道を除けば十勝側にドライブインがふたつ。日高側降り口にもひとつ。ほかは除雪ステーションとか砂防ダムの水門とか、道路情報のライブカメラが目に付く程度です。

整備が整ったとはいえ、工事は常に続いていて、維持管理工事・橋などの付け替え、トンネルの修復、豪雨による法面崩落の修復、そして路線修正など…
仕事上、頻繁に通るなら気がつきますが日高側のカーブと覆道の連続する付近は景色も同じように思えてきて一部変更になっても正直気がつきません。
真新しいトンネルを通り過ぎたところで左手に植えられた苗木の向こう側に旧路線が見え隠れする。

「おやーっ?あそこは…」

Dscf9220

十勝支庁と日高支庁を分断する日高山脈は太平洋側から来る地殻プレートの影響とかで隆起した山脈で古い地盤が露出しているところが多いようです。
元々、ほとんどが海の中だった北海道。その影響で、アンモナイトや海竜など海洋生物の化石が出土するところがあり、地域の博物館にはそういった出土品も展示されていました。
こんな、通行中に耳がツーンとしてくる高所でも海の中だったんですよ。

Dscf9236 この山脈を横切るルートの決定も、始めは徒歩によるものだったそうだ。
視界に広がる山々がまだ自然のままの原生林に覆われた時代、ここを走破するのに幾日かかっただろうか?
そんな古い地層からなる山脈をぬい、あるいは貫通して1本の道が敷設。
だだっ広い平野を結ぶ社会の血管は様々な車が行き来する。

Dscf9222 近くにある山の名を持つこの覆道。たぶん何度も通ったんだろうけど低木に前後を囲まれている上、似たような覆道も連続する道だから記憶の中でも存在感がおぼろげです。
降雪や雪崩、岩盤の崩落に対処する目的(?)で設けられたものですが、新トンネルの貫通で役目は終えたようです。
まだ、現役を取れるような状態ですが、既に静かに緑の中に埋もれていく運命になったようですね。

この道を歩いたことはない
というか歩くための道ではない

そんな道を改めて歩くと
道の重さ・偉大さが見えてきた

Dscf9229

現在、高速道路が、この峠のほとんどを難なく通過する路線が開通。
流通などの業者は変わらずこの峠道を利用するが、一般の利用は激減しているように思えた。
Dscf9235峠の店もラジオCMなど流して必死で生き残り策を模索している。

覆道の柱を眺めながら歩くと博物館で見た大きなクジラの骨格を思い出した。道は巨大な骸を晒していく。自然が再び仲間に受け入れる日まで…
それは既に遠い未来の話じゃなくなった。
でも、両側にゲートも付けられて車など通るはずのない道だけど、カーブの向こうから今にも車がかっ飛んでくるような気がした。

Dscf9226

文化の血流は滞ることはない
むしろ高血圧を伴って、ますます速度を上げていく

少し その流れに逆らってみようか
何か忘れてきたものが見つけられるようで…

Nagisa_stand

coldsweats01「…って言うか、ここ入っちゃダメですよーっ」

cat「えっ?」

※この覆道は現在立ち入り禁止の措置がとられています。
警告を無視した上での事故等に対し、当該局は一切責任を取りません。 

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コメント

数年前友人とここにカバノアナタケを採りにいきましたが、道路の奥から歩いてきたナキウサギ関係らしき人にギロリトにらまれました。
なんとなくイヤな気分になったので別の場所に行きましたよ。
私もナキウサギ関係なんですが。pig

投稿: カナブン | 2008年8月25日 (月) 17時49分

catカバノアナタケですか?
いろんな商売しているようですね。
うちの父さんもどこからもらったか袋いっぱい持ってましたけどホントに効くのかなぁ…
ナキウサギの町に住んでましたが天然は一度も見ませんでした。
そういうところへ行かなかっただけですけど。

投稿: ねこん | 2008年8月25日 (月) 17時57分

私も津別~阿寒あたりに採りに行ってましたね(W
効くのかと言うと、「信じるなら」と答えるしか・・・
十勝方面、いい所多いですねぇ。
ガイドお願いしたら、すばらしいところへ
つれって行ってくれそう(^^

緑色の川が、すてきです。

投稿: Show-G | 2008年8月25日 (月) 20時16分

show-G様>細かいところばっかリですけどね。
大物好きには、相手されないかもしれないですけど…
このところ扱っている所は、主に管外に偏ってます。
ネタはあるんですが、煮詰めたがる性格なので…トロイです。

投稿: ねこん | 2008年8月25日 (月) 20時30分

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