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2007年12月20日 (木)

霧が晴れたら ②

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Dscf1930このドライブインの位置をしめすのは1キロほど手前と店の前の道沿いに立つ看板のみ。
それ以上の努力はしたのか、しなかったのか…

アメリカ映画にはドライブインが舞台になるようなものがたくさんあります。
アクション・ホラー・サスペンス・ロマンスetc‥
そういった映画は、主に道が舞台になり、ドライブインは土地、あるいは国家の縮図にもなっています。

気になったのは、そういう映画に出てくるトラッカーの運転手がランチタイムに普通にビールなんか飲んでいたことですな… お国柄もちょっとしたカルチャーショックです。

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Dscf1932 ドライブインの中は、建物外観の色とは異なり、塗装のない原木の無垢な色のため、明るい雰囲気です。 散らかっているものがなければ廃されたものとは思えないほどです。 現在でも手直し程度で充分再利用は可能。
広い店内に違和感を感じるのは、テーブルや椅子が無いこと。
居住空間と共用していた店のようですが、家具の類もほとんどありません。
商売に陰りが出てから、処分していったのでしょう。建物自体はログですが、テーブル類は、既製品だったかもしれません。

ここがまだビルド時期だった頃から考えると20年近くは経過しています。
その程度前だと、やはり時代はログハウスはブームだったようです。それも店舗としてのものが。
成功したところもあれば、さほど売りも無く建物以上の個性も無いまま、鞍替えや売却していったところも少なくありません。
始めの店が一番特なのかと言えばそうでもなく、小さいログから始めて、増築・棟替え・新築・業務内容・メニューの変更などをへて徐々に大きくしていったところは、今でも繁盛しているようです。

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Dscf1946 ここがうまくいかなかったのは、何となく想像できますが外野の口出しすることではないでしょう。 ここは、外よりも中に工夫をしていったようです。それしかできなかったのでしょう。
ランチメニュー・定食・丼物などボリュームは確かにありますが一般的過ぎて店の個性に欠けていたようです。手作りの煎餅やかりんとうも試していたようですが、その効果があったとはとても…

Dscf1948 それでも、ここを訪れた人の中には、忘れられない何かがあったようです。
ここを訪れた旅行者と思われる手紙や写真などが散乱する紙くずの山の中に見かけられました。
メニューから読み取れないところがあったようです。

道内外からの旅行者でオートバイなどによる一人旅が当時、ピークでした。
その旅人は、長旅でホテル泊するほどの予算は無く、各地市町村提供による簡易宿泊所や個人経営の素泊まり宿(大抵、古い住宅の改造)を利用するのが通例です。それらも相部屋でさえ満室状況で駅泊を試みるも駅員に追っ払われて、線路沿いを手っ取り早く使える駅か何かを探して行き着いたのがこんなドライブインだったのかもしれません。

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大きなログハウスですし、ドライブインだと素泊まりも受けているところも見られるので、ここも素泊まりサービスを始めるのは自然の成り行きだったことでしょう。レストラン内部から壁際の階段をあがった部屋がそんな素泊まり所に使われていた雰囲気です。
一家の子どももそんな旅人達に遊んでもらっていたのかもしれません。

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気ままな旅も期間限定です。
それでも商売は続けなければなりません。
飲食業は、客が来なければ時間がいくら経っても収入には反映しない。
また、食事時間を外れれば波が引くように客足は途絶えてしまいます。

「その日々が限界に来たとき、霧は永遠に開かれました」
夢が霧散していくように散っていって、叶えられた夢は永続されることなく亡骸のような建物を残して静寂に包まれました。
一家はどこへ行ってしまったのか? 彼らは負け犬だったのか?

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そんなことはありません。
どんなに大成しても数年後には落ち込んでしまうかもしれない世の中です。
重要なのは夢を形にできたこと。それだけはいつまでも消えることは無い。
未開封の書簡がひとつ。開ける事はしませんでしたが、道外のある人から…
まだ、ここでの思い出に触れ続けたい人がいたことは確かです。

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Dscf1943 道外からは、近くて遠い北海道。気軽に行ける生活レベルになったとき、時代はむしろ外国の方が行きやすくなっていました。
団体をカバーできる巨大ホテルもその能力を生かしきることなく衰退。
地区行政すらも破産。救済が半ばブームとなっている昨今、果たしてそれは次例にもひきつがれるのでしょうか?

来るべき日。
道に面したこんなドライブインが地域の未来予想図なのかもしれません。

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コメント

これに大変よく似ている物件を知っています、
こちらはまだ現役でした。

場所が山奥や、店と民家部分の境目がはっきりしない感じがよく似てます。

投稿: カナブン | 2007年12月22日 (土) 13時23分

昔、店の居住部分と小上がりがはっきりしないラーメン店に入ったことがありました。
ラーメンをすする横で子どもが根っころがってテレビを見ていたので人の家でラーメンを食べているようです。

そのラーメン屋の屋根にはなぜか巨大な猫の絵がありました。

投稿: ねこん | 2007年12月23日 (日) 12時36分

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