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2007年12月12日 (水)

鋼の鳥 ②

このホテルの周辺には小さな湖や沼が点在します。
約3000年前頃から始まった勇払低湿原の陸化の過程で海岸砂州や砂丘の発達により、海岸線が閉鎖されて誕生した後背湿地の海跡湖だそうです。
最も大きいウトナイ湖は、渡り鳥の重要な飛来地となっており、1991年ラムサール条約により日本で4番目の『水鳥の生息地として国際的に重要な湿原に関する条約』の登録地になりました。

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Dscf8799 ホテルのある湖は古来、『チライウチト(イトウの群生する沼)』と呼ばれていました。
現在もイトウがいるのかは不明ですが、調査によるとナマズやゲンゴロウブナなど9種の魚類が確認されています。中には63㎝級のソウギョ(1mを越えることもある)が捕獲確認されています。

この沼は、実際には私有地です。現在の正式な名前では所有の林業会社の名前が付けられていますが、一般的にはこの物件の名前から『●●湖』と呼ばれています。
ウトナイ湖がラムサール条約登録とはいえ、付近は10分~15分に1度は、旅客機が上空を通るようなところです。

Dscf8908 付近の航空機騒音年間集計値表によるとこの沼は、『※WECPNL指数:71(平成17年度の値・平成6年度では76)』。
地域類型基準(専ら住居の用に供される地域か否かの判定による)では、WECPNL指数75以下とされるので基準には適合しているようです。
それにしても、やかましい事には変わりありません。
※WECPPNL=加重等価平均感覚騒音レベルのこと。航空機から受ける1日の騒音の総量を基準として、同じ騒音でもより「うるさい」と感じられる夜間・早朝について重み付けを行い、人が受ける騒音の感覚に合うように考えられた航空機騒音の評価単位であり、一般に「うるささ指数」と解釈されます。

特に、ここの沼上空は千歳空港への着陸進入経路であるため、まだ車輪は出していませんが、航空機は低空で通りぬけていきます。
沼には、白鳥も飛来するようですが、湖面が結氷するとここからウトナイ湖へ移動するようです。

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Dscf8873 総面積22ヘクタール、最大水深2m(調査書による。地区史では水深9mの記述もあります。)の沼のほとりに造られた温泉ホテルは、旅館というより温泉施設の様相が大きく、宿泊は主に団体向けであったそうです。
近郊からも比較的行きやすいところだったため、外湯は比較的繁盛していたようですが、新たな掘削により他所の温泉が増えていくと人が離れていったのかもしれません。

ここ20年の間に誕生した温泉施設は、かなりの数に上ります。観光資源としての背景もあるのですが、温泉の基準を満たさない冷鉱泉の部類を追い炊きしてまで強引に営業した施設も多く、現在では維持費がかさむことから地区行政のお荷物になり、公売に出されたり、閉鎖されたりという安易な物件もありました。
 
バブルの背景や地方譲与税交付金・ふるさと創生資金など恩恵はありましたが一村一品運動や地域活性化の盛んな時代において、地方の浪費とは言い切れないものがあります。

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それらの施設乱立が、このホテルの経営に影を落としたのかもしれません。
耳にしたところでは、経営難から営業引継ぎを条件に施設を売り渡しましたが、営業再開の様子が見えないところからもめ事になったようです。しかし、実際に営業再開することなく静かに朽ちていくことになりました。備品・調度品が多いのは、その原因を物語っているようです。

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複雑に入り組んだ館内。増築を重ねた結果の構造ですが、この形になるまでは繁盛し続けていたことでしょう。
 複雑な増築は、新旧にこだわらずあちこちで見かけることはできます。ここも現役だった当時から迷宮的で趣のある気がします。ウロウロしていいのかは別としてね。

(つづく)

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コメント

鋼の鳥①の写真、
え、これどうやって編集してんの?って
写真をクリックしておっきくして見たところ…

な、なんかいるーーー!!!!
しっかりカメラ目線だし…ヒエー!

しかし画像編集がものすごく上手ですね。跡形もない。

投稿: haru | 2007年12月12日 (水) 02時19分

…と思ったら②の写真にもw
能天気なことってこういうことだったのですねw

投稿: haru | 2007年12月12日 (水) 02時25分

ついフレーム内に入り込んでしまいました。
…って②では何もしてないよ…?

投稿: ねこん | 2007年12月12日 (水) 06時30分

トラが写ってます、しかもエビス様が乗ってますね。

投稿: カナブン | 2007年12月12日 (水) 15時14分

それは、えーまーですね。
ここは、参拝所にもなっているのでしょう。

投稿: ねこん | 2007年12月12日 (水) 16時55分

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