始めにリズムありき…
ここは、町の体育館です。
おやー?正面入口にあられもない姿で新体操の練習をしている人がいます…
町の11代町長の町の公共施設・公園・広場などに『芸術作品を設置して街に少しでも芸術的景観を』との発想から始まった都市景観創造促進事業で設置された1作品です。
体育館前に美術品というのも少し場違いな気もします。
この作品の題は『リズム』。題と像に違和感を感じるのは、その姿が女性だからでしょうか?
女性だとメロディという方がそれっぽく、リズムというとどこか男性的な印象ですね。
でも、美術・芸術品は目に見える部分だけが真理ではないのです。
画面の中の人は外へ視線を向けます。
水墨画の何かをにらむ虎は画面の外に獲物がいます。
孤立している立像は目に見えないパートナーがいるかも…
このポーズを阿波踊りと見るならばリズムで正しいのかもしれませんが人の歴史の中で音楽は、まずリズムから始まったといって過言ではないでしょう。叩く音は一定の周期・間隔をもって流れを作ります。リズムは生命に必ずある心臓の音、脈の音、そして命の音です。
原始的な音楽・民族的なものは、リズムが重要です。
バリ島の音でガムラン(青銅打楽器)やジェゴク(竹製打楽器)は、異なるリズムの周期をもつグループの集合体でそこに存在しなかった新たなパルスを生み出します。楽器ではなくどちらかと言うと声楽的なケチャも同じ構成に属します。
日本の民謡や盆踊りなどもリズムが重要です。この場合はリズムの合間に『おかず』が入ってきます。民謡の「ソーイソイ」とか「ヤッショーマカショ」や祭り太鼓の「ドーン ドーン ドン タカタッタ」のように太鼓の側を叩くのがそうですね。
お餅つきもリズムです。
リズムはフィジカル。肉体的です。メロディはメンタルな精神的・心情的。
メロディは心を揺さぶり、リズムは魂を揺さぶります。
彫刻は四方八方すべてが鑑賞角度です。向きによって、時間によって、天気によって巧みに表情を変える様は、絵画以上にものを言います。
彫刻は本来、屋内で鑑賞すべきではないのかもしれません。
リズムは生命の
鼓動であり
そこから
美の無限の
世界が生まれる
そう、始めにリズムありき…
人は誕生する前からリズムを聞いている。
貴方の魂のリズムは覇気に満ちているでしょうか?
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