サッちゃんの屋根裏部屋 ①
「サッちゃんはね バナナが 大好き ホントだよ
だけど ちっちゃいから
バナナを 半分しか 食べられないの
可愛そうね サッちゃん」
サッちゃんは、幾つだったんだろう。
こういった童謡の裏を探るみたいな趣旨の本がブームだった頃に「サッちゃんは病気のためバナナを全部食べられなかった」とか「呪い的」解釈がまことしやかに論じられたこともありました。
後にガオレンジャーのイエローであった堀江慶氏のメガホンにより撮られた『渋谷怪談』に出てくる亡霊少女もサッちゃん。
現在は、サッちゃんの名を都市伝説の一部にしてしまったのかもしれません。
実際のサッちゃんの唄には、そんな背景は一切無いそうですが…
かなり古そうな民家。70年代には、人は離れていったであろうこの家は近郊農家の資材庫や搬機車庫になっています。
それでも住宅としての面影が錆付いたポストに見かけられるので、除いて見る事にしました。
ポストが無ければ単なる物置小屋かと見まごうほどですが、これ以上朽ち様がないというばかりに時に磨かれた板壁の中に入って見えるのは広い窓辺に据えられた流し。手押しポンプが脇に据えてあるのでやはり、住居としても古いようです。ここに水道を引いた様子はないので、戦後の集団離農期に離れたものと思います。表の普及タイプのポストから見ても、せいぜい昭和40年代中頃まででしょうか。
居間とか床の間になるところは、ブルーシートや収穫用のプラコンテナ(サンテナとも呼ばれる。なぜか)が積み上げられて情緒に欠けますので、回避。
仏壇前に置いてあるような台とか日本人形がいれてあったようなガラスケースもつまれてあります。これは、後から置かれたものでしょう。不法投棄の感じではないので物置化した故の様です。
あちこち痛んでいるので、もう倉庫くらいにしか使えない感じもあります。でも、今は古民家再生業者もいますし、DIYを趣味とした人がリタイヤ後に買った(売ってる?)こんな家に手をかけて、物件取材にいったら見事に再生していたということもあります。柱がまだ真っ直ぐなうちは、家は生きているようです。
気がつくと階段が… 外観は平屋建てのようでしたが、控えめな場所に2階へいざなうように据えられていました。
上からは、窓が開いているのか爽やかな風が吹き降ろされてきます。
上で待つのは、一時代前の記憶なのか?丸っこいバームクーヘンみたいな柄の蜂の巣なのか?
(つづく)
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
屋根裏と聞くだけで興奮するカナブンです。
屋根裏の床が抜けないか心配になる画像ばかりです、
サッちゃんは屋根裏の哲学者だったとか。
投稿: カナブン | 2007年10月 2日 (火) 12時11分
「屋根裏」というとロマンチックな感がありますが、「天井裏」というと生活感を感じるのはなぜでしょう。同じような気がするのに。
江戸川乱歩の小説で『屋根裏の散歩者』というのがありましたが、うちは1分で終わってしまいます。
投稿: ねこん | 2007年10月 3日 (水) 15時19分