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2007年9月30日 (日)

カムイ・ピラ石仏群

アフガニスタンの首都カブールから230㎞北西に位置するバーミヤン渓谷。
ユネスコ世界遺産にも制定されたここには東西に巨大な大仏が渓谷壁面に掘られ、その数1000以上に上る石窟があることでも有名です。

 2001年ターリバーン勢力の侵攻により2対の大仏は爆破され、その様子を世界に発信したターリバーン勢力は、世界的に非難を浴びました。
(詳細→『バーミヤン渓谷の文化的景観と古代遺跡群』)

 今回の物件は、バーミヤンとはスケールが比べ物になりませんが、偶然の作り出した光景をご覧いただきます。

Dscf0593

Dscf0602_2  峠や最寄のJR駅のある本町方面をこの地域に向かい、高台の上から目に入る対岸の高台。そこに何やら崖崩れのような跡があります。
 ここは通称『ガンゲ』と呼ばれ、この地域で生まれ育った人々は、これを見て始めて故郷に帰ってきた事を実感します。

Dscf0604  しかし、この高台が人のいなかった遥か昔に一帯を襲った超巨大火砕流の痕跡であることを知る人は、さほど多くは無いようです。
 火砕流の跡ということで、土砂の大半が火山灰で形成されているようです。こういった場所は、ここだけではありませんが、地域史等にも載るように地域に認識されている現場は、知る限りここだけのようです。
 ここへ近づいたことは、今までありませんでしたが今回、寄れるだけ寄ってみることにしました。

Dscf0636  この一帯は、かつて町の穀倉地帯とまで言われるほどの水耕地が広がるところでした。
今では、当時を記す記念碑や灌漑溝跡がわずかに残る程度で、昔は水田が広がっていたことを知る人は地元でも決して多くはないでしょう。水田が消えていったのは、栽培成績ではなく、1970年代当時に米余りの対策で国の出した減反政策に寄るものでしたから…

 開拓期、イモやカボチャや蕗ばかり食べていた当時の人々の悲願は、米の飯でしたので水田の試作には積極的でした。一部地域は火山灰土壌のために引いた水がすぐに地中に浸透してしまい不可でしたが、地域の両側をこの『ガンゲ』を伴う高台に挟まれた小さな盆地とも言えるところで、試作初期は、技術不足・品種の不適合・水温の問題で試行錯誤を繰り返しました。
 悲願と努力の末、勝ち取った収穫でしたが当時の喜びを記すのは、現在記念碑のみです。

 幹線を右往左往して何とか『ガンゲ』手前の十勝川河川敷へ出ました。

Dscf0603

『おおぉっ!』 現場について思ったのは、まるで巨大石仏のように見えたことでした。
それも1体や2対ではなく、無数の像が整列しているかのように見えます。
 これは、河川の侵食と風と雨が作り出した彫刻です。現場にいると壮大ですね。

Dscf0607 樹木の生育により若干、見え辛くなったり見えなくなったりしている部分も広がりましたが、以前は高台の広い面積にこのような跡が見えていたようです。
 砂利や土のように火山灰も商品価値が出たため、この造形が失われた地域もありますが、ここはまだまだ健在でいてくれるでしょう。

 地域の顔とも言える『ガンゲ』ですが観光景観として紹介されるでもなく、土地の見張り役として、ただ静かにかつての水耕地帯を見下ろしているのでした…

※『カムイ・ピラ(神の崖)』の名は、ねこんの創作であり、実際には『ガンゲ』の名で地元に知られています。

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コメント

これはまったくそう感じちゃいますね!
岩って不思議と必ず何かに見えますからね。顔、動物、神様etc
私も「岩」好きです。

投稿: カナブン | 2007年9月30日 (日) 23時46分

巨石信仰って信心の基礎だったりするようですからね。
これは、近くに行って始めて気がつきました。更に年月がたつとまた味がでてくることでしょう。

投稿: ねこん | 2007年9月30日 (日) 23時53分

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