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2007年9月19日 (水)

三賢者の虚ろな目 ①

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 季節は春。今年は異例の降雪量の少なさと気温の上昇が早かったため、雪解けが想像以上に進みました。北海道において冬場の雪は自然のダムのようなもので、たゆまない川の流れは、この雪に大きく左右されます。地域により節水事態になったところもありましたが、冬期間の降雪の少なさから秋撒き小麦が凍枯して若干の減収と収穫期に荒天が重なり倒伏などが目立ったほかには、冷害時には強いとされているジャガイモ関連種も及第点とされて畑作の作況は全般的に良かったようです。
 反面、酪農の方は真夏日が連続して、乳牛もグロッキー状態。トンネル換気(牛舎の片側に巨大な換気装置を数基設置して、反対側へ強制的に風を通す。)をするも、熱中症のためにダウンの牛が続出したそうです。
 以上今年の現状作況報告。駐在員のねこんでした。

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Dscf3156  そーいう話は置いといて、小春日和の畑です。いつもの年なら、まだ若干の雪が残っていて陽に照らされて畑からは湯気がもうもうと立ち上るような頃です。まだ、植え付けには入っていませんが、この夏収穫される小麦は、まだ小さいながらも一足早く命の芽吹きを感じさせます。
 そんな、季節の絵師がまだ、絵の具箱の色を試しているような風景の中に見える1軒の廃屋。『あそこへ行ってみたい…』
 でも、近くの道は町道とされていても私道同然の状況。高台のこちら側は全て畑です。現在は、特にジャガイモ栽培農家にとって、検疫結果によっては減収にもなる『ジャガイモシストセンチュウ』と呼ばれる害虫にシビアになっています。靴の裏に若干ついた土を媒体として蔓延することもありうるこの害虫は、土中に生息するため、防除が難しく、10年前後はそこに存在するので、看板を立てるなどして部外者の立ち入りを制限しています。
 しかし、山菜採りなどで郊外の畑の際に入る人は後を絶たず、畑作農家の悩みの種でもあります。

 我々の物件探索も少なからず、そういったことに関係してくるので、マナーと配慮は重んじてください。

『すいませーん。あそこに見える廃屋らしいものを撮らせていただきたいんですけど…畑の際を歩かせていただいていいですかー?』

『そうですか。あんなボロ屋で良かったら、どうぞどうぞ。是非どうぞ』 

Dscf3196 うーん 調子狂うな…
 とりあえず、承諾も取れたので、ヘコヘコ歩いていきます。幹線からは小さく見えましたが歩いてみると遠いな…あぜ道沿いなので直線でいけないことがなおさら遠くさせます。
『暑いな…モッズコートなんか着てこなけりゃ良かった…』
桜にはまだ早い4月とは思えない北海道。
 途中にはエゾシカの足跡が。今時期の小麦の芽を食べちゃったりするんですよね。

見える家はたぶん離農跡だと、始めは思っていました。
その敷地に到着するまでは…

(つづく)

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コメント

一枚目の写真はまさに“原点”ですね、これはいい。
行けそうで行けない小さな廃屋、なぜそれらに夢中になるのか?自分でも謎です。
緑が減るこれからの季節、すこし行動範囲を広げますか。

投稿: カナブン | 2007年9月19日 (水) 08時43分

こういうものを見つける力がついてきたってことですね。でもわき見運転禁物。
この前、対向車がわき見でこっちの車線に入ってきましたがガードレールと反対車線に後続車があり、1メートル以下でかわすニアミスしました。

投稿: ねこん | 2007年9月20日 (木) 01時22分

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