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2007年8月 7日 (火)

夢破れて山●荘 ⑥

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さて、2階に登ってみようと試みます。上まで『コ』の字形に据えられた階段ですが、裏手崩壊の影響をまともに受けているため、目の間にするとかなり怯みます。
 最初の踊り場までの横板は全て無くなっています。下に落ちている様でもなく、側板は原形のまま残っていることから崩壊とは別に侵入防止のため意図的に外されていたのかもしれません。その上の踊り場の床もずれて傾いています。

Dscf5601このシーンを始めて見たのであればたぶん、登るのはあきらめていたでしょうが、我が師匠から『バランス感覚を鍛えて高みを目指せ!』とのお言葉もありました。
 壁際から行くと次の段が遠くなるので敢えて向かって左の側板から…
 板厚およそ60㎜。よろけたらアウト。装備の緩み等チェックをしてゆっくり登りだす。

 こんなに傾いているのが嘘のように揺れもきしみもありません。これはスムーズに行ける…と、思ったら上の1段は『虫食い』。なんとか床の無い踊り場を抜けると次の段は大きく傾いています。ここは手すりもあり、意外と頑丈なので2階まで到達できました。

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Dscf5590  上は、客室になっていて外観や1階から想像できなかったほど全体が斜めになっています。ちょうど正面から見た三角部分の奥辺りです。置人不明の花束が供えられていた場所もこの辺らしい。この辺りの床からちょうど宴会場の上部に当たる奥へは雨漏りにより床板の腐食が進み、明らかに抜けそうです。梁の位置を確認できないためこの奥は断念します。この奥がおそらく客室らしいのですが。
 正面の三画部分の部屋は特等室のようで広さと窓から見える田園風景が素晴らしい。現役時もこの風景が見られたことでしょう。これはいい季節に来ました。夜中に来るにはもったいない。
 隣の部屋は客室ではなく遊戯室のようです。中央の掘りごたつ状の部分にあるのは自動麻雀卓の成れの果て。外はテラスに通じて浴場の屋根が見えます。意外に屋根板が飛んでいました。続く客室は畳部屋です。ここからも田んぼが一望できます。山を背にして緩やかに低くなる地形で視界が遠くまで広がります。

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 ここの経営が思わしくなくなった原因は前を走る道が接合する国道の整備により交通の多くが流れたこと、利用者のニーズに付帯施設が合わなくなってきたこと、地元シェアの伸び悩みがありました。取材では実際行ったことは無いという方もいたので…
 こういったところが衰退に向かう原因は第3セクターにしても一般施設にしても地元シェアやリピーターが付かなければほとんどだめになります。さもなければニーズとリニューアルのいたちごっこなのでしょうが。

 現役時は知りえませんが『山●荘』後の『香●館』はがんばったのではないでしょうか。
ただ施設が巨大であるが故、経営縮小にも限界があり、呼び物であるべき温泉も維持費の莫大なお荷物となってしまった…

『夢のテーマパーク』はこの地に生まれてからおよそ20年で『夢の跡』になりました。
それでも皮肉なことは没してなお訪れる人の耐えないことです。少なくとも客ではない人達の…

(次回、完結)
 

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コメント

2階の三角部分、いいですね。
ここから下を眺めてみたいものです。

必要なのはバランス感覚ですか。
いつかチャレンジできるかな(でも早くしないと崩れてしまいますね・汗)

投稿: のん | 2007年8月14日 (火) 00時13分

以外に幅があるので酔っていなければいけます。ただし、最後の一段が虫食いで躊躇してしまいますが大丈夫でしょう。
中断から2階は意外にびくともしない手すりに掴まってください。
 2階の▲の部屋の前から床がもう腐食しています。壁沿いに忍者歩きで進んでください。部屋の中中央部分も雨が滴っているのでうかつに歩かないほうが良いですね。ここも壁沿いに忍者歩きです。
すると前に広がるのが田園風景。もうすぐ刈り入れかな?
 空撮で見ると池がずいぶんあったようですが取材時は知らなかったので雑草の向こうは確認しませんでした。

 階段を攻略すると、たぶん翌日は腕が筋肉痛。

投稿: ねこん | 2007年8月14日 (火) 16時55分

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