夢破れて山●荘 ③
建物・浴槽・柱など八角形の構成によって作られた浴室。ここが建てられたときは風水学を知っていたのかは定かではありません。
八角形は、風水学で言う陰と陽、すなわち宇宙観をあらわします。陽を円形とするならば陰は四角。八角形はその中間にあるとされています。
八卦では八方位を東、北東、北、北西、南東、南、南西、西で吉凶を説明しますが、八角形はその8つの方向に広がる形だといえます。つまり八角形は宇宙の形なのです。
古来、風呂とトイレは不浄とされ、住居とは別に設けられていましたが現在は、全て同じ屋根の下にあります。家の中心線に水場やトイレを作らなければならない場合、家相的には特別な配慮(鬼門札など)が必要だそうです。
もし、八角形の住宅を作った場合、家は鬼門に対し柔軟に対処できるそうです。実用的かどうかは別として…
八角形は風水では運を安定し、かつ、上げることができるとされて風水鏡など八角形を形どったものを身近に置くと良いそうです。
この温泉には、『日中薬膳研究所』という側面があり、風水のルールを浴場に持ち込むのは当然であったことでしょう。
でも、この運気の高い浴室で不幸な事故があったそうです。入浴客が持病の発作を起こしたとか子どもが溺れたとか話は錯綜しますが何らかの事故はあったのは間違いないようです。その後も人の生き死にに関する事件が続いたそうですが、その信憑性よりも現地に残る痕跡から推察していきたいと思います。
この薬膳研究所としての側面は、冷鉱泉であるため、維持に費用がかさむことから付加価値として導入されたのかもしれません。しかし、世間で取りざたされるほどこの『山●荘』は半壊しているとはいえ、悪意に満ちた、あるいは彷徨える霊たちが寄り集まる禁断の建造物なのでしょうか。
埋められた浴槽は、謎のひとつに数えられています。維持費の関係で閉鎖して植え込みにされたというお話です。災いとは縁遠い場所であったはずなのに廃墟化したことが噂を助長させてしまったのかもしれません。
経営の悪化が限界に来たとき、経営者は身の回りを簡単に整理すると、ここを捨ててどこかへ行ってしまったようです。
今や生きている者の気配は全く無いこの旅館にまだ人のいる気配がありました。
郵便配達の悲しい性。幽霊屋敷と名高い旅館の厨房には今も郵便物が届いています。
(つづく)
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
こちらの「山○荘」編集中にアプリエラーで消えちゃいました...orz
最初っからやりなおし、近日中にUPします。
投稿: カナブン | 2007年8月 5日 (日) 01時40分
あらら…いたましいですね。データ消失は泣けます。
ねこんも完成してから保存のつもりで削除ボタンをクリックしたことが数回ありますから。
とくにブログのバージョンアップで編集画面が視覚的に変わったときなど…最近も変わったから危ない。
投稿: ねこん | 2007年8月 6日 (月) 12時09分