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2007年7月 8日 (日)

自動車哀歌 ①

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『あの娘をペットにしたくって ニッサンするのはパッカード 骨のずいまでシボレーで あとで肘鉄クラウンさ…』と唄っていたのは、永遠のマイトガイ(ダイナマイトガイ)小林旭さんですが、こちらは廃墟化してすでにエレジー(哀歌)の雰囲気です。

 愛しの恩師、カナブン師匠の北海道廃墟椿において『H自動車学校』の名で、いち早く世の中に出ている好物件です。
 現在は、高校以上進学、自動車免許証取得は当然(地域差はありますが)のような世の中です。特に北海道のような土壌では、鉄路どころかバス路線さえも縮小の折、車がないとどこにもいけません。家族や夫婦で通勤先が異なれば1軒に1台というのも不便な話で、保有台数が多いからといって決して裕福になったというわけでもなく、自動車税・車検・ガソリン代と頭が痛いものです。

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 バイト代とバイト時間を工面してなんとか取得した免許証。そのために通った自動車学校。教えを得るところだから当然ですが、同期の人とも打ち解ける間もなく卒業していくような学校ですから情の移る暇もありません。それでも本免試験合格となると卒業記念写真を撮るサービスがあって、笑ってVサインの写真が今でもあるから奇妙です。

Dscf4834Dscf4831  おおよそ自動車学校では認可を受けているところだと、仮免許・本免受験資格を得られ試験場で合格できれば免許証取得となっていたと思います。
 ねこんは札幌在住期に近郊の自動車学校に通って受験資格を得、最寄の試験場で本免許証試験を受けた訳ですが、そこまでは試験場行きの路線バスを利用しました。各教習校が殺到する日でもあり、車内は満員で座る席は無し。時期は冬場で窓は白く曇っています。何を隠そう、ねこんは人一倍乗物酔いしやすい体質で道中のバスの中で臨死状態に陥り、なんとか試験は受けましたが、帰りに試験場の外で満面の笑顔でアプローチしてくる献血車の方々には応えることはできません。今でも相乗りだと黙り込んで外を見ているか即、眠ってしまいます。そんな学生時代に故郷と札幌の間をJRを利用していましたが、乗物酔いが嫌で発車前に眠って札幌駅下車のつもりが余市のホームに立っていて絶句したのも今では、いい思い出です。JRは脱線しませんでしたが、話は底抜け脱線しました。

Dscf4835_1  こちらの物件は、自動車教習所であったようですが地域資料や郷土要覧・郷土新聞を斜め読みしてもその名を見つけることができませんでした。
 創業時期は未確認ですが師匠のサイトの空撮映像資料の年代と状況から昭和50年代までは、営業していたと思います。
 受験資格をここで得られると最寄の試験場(当時は釧路まで出ないと試験場が無かったので警察署において試験という形をとっていたそうです。聞いた話では)へ該当者を乗せバスで向かうという他校にありがちな進行形式であったと思います。
 近年は、各自動車学校でも入校生獲得のため遠方まで送迎バスが向っての獲得競争の合戦状態でしたが地元だけカバーできれば経営していけたこの教習所では、たちうちできない打撃になったのでしょうか。

   訪れたとき、春の好天が続き雑草の勢力に侵食されそうな教習コースを目にしました。路面を割って顔を出す野草がコース攻略を難しいものにしています。
 コース外周は柵で囲まれていたのでしょうが、今は残っていませんでした。コースのすぐ近くまで宅地が広がっています。辺りは一般住宅が多く新興住宅地のためか、この教習所の現役時を知る方には出会えませんでした。まるで植物散策コースと化してしまった路上に信号が雑多な植物を監視するように立っていました。
 時折吹く風に山の者には敏感に感じ取れる潮の香りがします。

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 さて、山の懐に抱かれた教習所の管制室へ入ってみましょう。中に潜んでいるのは時の玉手箱か師匠カナブンか…ブーツの紐を締め直していざ、ホップステップジャンプ。(←するな!と師匠の声)

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コメント

まったく油断もスキもないですね、豆資料館どころじゃありません。
どうやってここを見つけましたか、まさかあの空撮から国土の画像を探しまくったとか?笑。
私が行ったのは06年の毛虫がでそうな真夏で、横の物置に気ずく余裕もありませんでした、車を連想するものほかにありましたか?
先日、廃専門学校を不発に終わった私ですが、これも廃校と言っていいのでしょうか。

投稿: カナブン | 2007年7月 8日 (日) 02時29分

毎度様です。
だだっ広い地域だと市街地に隣接した山という構図は比較的容易なのかもしれません。空撮を見ていても現地に行くと全然解りません。98%の山感と2%の偶然です。

投稿: ねこん | 2007年7月 9日 (月) 12時22分

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