« さよなら枝肉空母 その3 | トップページ | さよなら枝肉空母 その5 »

2007年7月26日 (木)

さよなら枝肉空母 その4

Dscf2818

 さて、別棟にやってきました。ここまでくると設備が飛躍的に増えて、家内工業的な形から工場化しています。このあたりで有限会社化していたのでしょうか
 しばらく閉鎖されていたこともあり中は、肉というより消毒液の香りが充満しています。(病院のそれとは異なる香り)
 各部屋は枝肉の搬送が容易なように搬入口のハッチから各冷蔵庫までを全てレールで結んであります。天井を巡るレールは重厚な威圧感ですね。一般では見ることのない大きさのプラ製の容器が大量に見られますが中は空っぽ。
 ホースもやたらと見られ製品小というより物置のようになっています。施設を拡大していったというより増床のたびに旧棟は使わなくなった…そんな印象です。
 機械類も充実し、しゃぶしゃぶ肉用のミートスライサーが数台見られました。
Dscf2513

 名実共に会社化したようで、「衛生管理」「品出し」などの標語が目立つようになり、手洗い場もあちこちに据えられるようになりました。
 この棟の外から2階へ通じる階段があり、向かってみます。しかし、階段途中から接合部分が剥離してしまい、三分の一程が陥没したようになっています。1枚板の階段なのでそっと上りかけると少しフワフワ揺れます。怖いな…(後になるとすっかり慣れてしまいました)
Dscf2829

Dscf2532Kanban_1    ここは、従業員の休憩室に使われていたようです。ただし、トイレも小上がり風なところもギフト箱や発泡ケースなどの備品類で埋め尽くされていました。東西にドアがあって屋上に抜けられます。ここに会社のシンボル看板も据えられ、主要な配電盤も設置してあります。
 その配電盤の裏に桜の幼木が…今年初めての桜を見ました。誰の目にも触れないであろうこの桜も元気に開花しました。来年は見ることは無いのですが…
Dscf2815

 この棟からは建物は、社屋というより巨大な冷蔵庫化しています。窓はなく、昼なお暗い空間。稼働中は、寒かったようなので耳カバーなども見かけます。
この冷蔵庫の中で枝肉が所狭しとぶら下がっている光景は、さぞすごいものだったことでしょう。Dscf3058

 並んでいる鍵爪を見ると、とあるホラー映画を思い出しました。
あの映画も設定は肉屋だったような…

(つづく)

|

« さよなら枝肉空母 その3 | トップページ | さよなら枝肉空母 その5 »

コメント

こんばんは。宮城県在住のアツシです。
調査・取材が綿密で、とても見ごたえのあるブログです。物件の背景を知っているのと、そうでないのとでは感じ方が全く違いますからね。

廃墟の中では、どうしても「他に人がいないか?」ということに一番神経を使ってしまうので、後から写真を見てもどの部屋で撮ったのか分からなくなることがあります。まあ私の場合、今のところ廃墟で遭遇したのは、コウモリと鳩くらいですけどね(笑)。

投稿: アツシ | 2007年7月26日 (木) 02時08分

アツシさん始めまして M県ですか。
 学生時代にフェリーでS台まで行った事がありました。
土地勘に関しては楽天的でS港からS市内まで歩き通したことを思い出します。
 北海道とは違って地形を生かした街で道産者のめには新鮮に映るものばかりでした。(道が川の様に掘り込んであって家々が高い所にあるような住宅街。両側は石垣風)
 ルイドロの資料は主に大きい図書館に北海道全域の町史、地域史、学校史、郷土研究誌などがあり利用しています。
 それ以外の民間系の物件は、近隣に承諾を兼ねて聞き込みします。たまに相手が話に熱が入り2時間ほど拘束されることもありますが…そういう地域を含めた調査も面白いものです。
 物件内で人に会ったことはありませんが以前、廃ボウリング場でニアミスした経験がありましたね。あー怖。
一番怖いのは腐った畳です。
そちらの梅雨明けはまだなのでしょうか?いつかそちらの物件を見せてください。

投稿: ねこん | 2007年7月26日 (木) 12時49分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: さよなら枝肉空母 その4:

« さよなら枝肉空母 その3 | トップページ | さよなら枝肉空母 その5 »