« 学びの駅舎 | トップページ | 栴檀は双葉より芳し »

2007年7月30日 (月)

ドドメ~ン!

Dscf2709

 いくつ分かりますか? 世代が露骨に表面化するので軽率な回答は墓穴を掘る恐れがあると思います。
 例えば『ドラえもん』や『オバケのQ太郎』をアニメ(最新版)で見ていた世代の始まりはほぼ20代ですからね。『ドラハッパー』と関係深い頃ですね?

 一番右の金髪の女性は『宇宙戦艦ヤマト』に出てくる森ユキ(だった?)さんです。
一世を風靡したアニメでしたが髪が短いうえ滅茶苦茶なので半信半疑になってきますがほぼ、間違いないでしょう。

 問題は左端と右から2番目です。これは今となるとメジャーだったのか、マイナーだったのか判断に困るところですが、劇場用アニメも公開された経緯もあることから知名度はあったのでしょう。

Dscf2706  少年サンデー誌上で連載された梅図かずお氏のギャグマンガ『まことちゃん』の主人公と彼に付く「まこと虫」です。恐怖漫画家の梅図氏はその作品歴において「ロマンスの薬(惚れ薬を手に入れた少女がその薬で騒動を起こす話)」というラブコメを描いた辺りからギャグに対する憧れが生まれてきたようです。本作はヒットには至らず、恐怖漫画に定評があることですし、経歴も長いことからギャグの創造にはぎこちなさがありました。
 後にこの「ロマンスの薬」のバリエーションとして老人が中学生に若返る薬を手に入れて学園に大騒動を巻き起こすギャグマンガでした。この中に出てくる孫が後の「まことちゃん」の原形になります。

Dscf2707  恐怖漫画家がギャグに踏み込んでみる例は以外に多く、ギャグから出発したつのだじろう氏は別として「地獄小僧」や「蔵六の奇病」などグロさの際立つ日野日出志氏の自伝とも取れる「狂人時代」は唯一といえるギャグの形は取りながらもグロから不気味さが際立ってギャグにはなりきれませんでした。

 もう一人「エコエコアザラク」で知られる古賀新一氏(ホラーシーンになると恐怖映画のカット模写をやたらと使っていた)は少年チャンピオン連載中の一時期、マンネリ化からなのか展開が急にコメディ調になった時期がありました。シビアな内容で敵には易々と死を与える黒井ミサが転じてドジを踏んでギャフンという表情は、これまた違和感の極みでした。

梅図氏は恐怖漫画では、多くの世代共通の作家で表現も常に斬新でアイディアの枯渇を知らないかのようなバイタリティには感服します。その代表作は「まだらの恐怖」「黒猫の怨霊」「怪」など多くにわたりますが、ねこんは人間の心に起因する恐怖に翻弄される人々を傍観する不思議な少女の話「おろち」が氏の恐怖に関する大きな転機になっているということで選んでみます。特に「骨」という下りのプロローグにこんな語りがありました。

骨 人はなぜ骨を忌み嫌うのか
骨は美しい
いやらしいのは、その上に着いている肉の方ではないか…

 当時、小学生ながら「これは真理だ」というような気がすごくした覚えがあります。
それが「まことちゃん」では『ドドメ~ン』とか『バサラ』とか良く分からない流行語の乱発と、この絵でギャグするのか?というのが返って恐怖を感じました。

 意外と連載は長かったんだよね『まことちゃん』
梅図漫画といえば何を読みましたか?

|

« 学びの駅舎 | トップページ | 栴檀は双葉より芳し »

コメント

おはようございます・・・全部分かっちゃいましたぁ。
梅図かずお大先生は作詞家としても才能を発揮してます。ジューシィ フルーツをデビューさせた近田春夫さんの曲にも作詞をしてますね、言葉のセンスも抜群、まさに天才です。
昔の漫画家はギャグ・シリアス・恐怖・SF等々一人でなんでも描きますからホントすごいです。

ヘビ少女

投稿: カナブン | 2007年7月30日 (月) 12時26分

音楽面の活躍は知らなかったですね。テクノブーム全盛紀頃の80年代ですか?
梅図氏の作品では「漂流教室」が一番リアル恐怖だったです。
映画は変だったけど…
スピリッツ創刊時に「まことちゃん」近未来版で「男神(おじん)」というのがありまして、ギャグを見たのはそれが最後です。
た●きんトリオ、●ひろみ、沢田●二らの組織する老人暴走族グループの抗争のお話。かなり煮えきりませんでした。
バサラ!

投稿: ねこん | 2007年7月30日 (月) 13時48分

「ドラハッパー」、懐かしいですね~。今じゃその中の一人しか見ることができなくなりましたね。梅図先生ご自身は、幽霊を信じていないとか。
う~ん、たくさん読みましたが、「神の左手悪魔の右手」と「黒い猫面」でしょうか。

「ほほほほほほ」

投稿: アツシ | 2007年7月31日 (火) 01時32分

アツシ様
やはり、梅図世代は多いですね。
氏は霊を信じていないのですか?意外なんですね。だからこそ発送の飛躍が奇抜なんですね。
「うーん…」とか「ギャッ」という書き文字がいかにも怖かったです。

投稿: ねこん | 2007年7月31日 (火) 11時08分

これは何の壁画(?)でしょうか。
本州の遊園地にこんなイラストが描かれていた所があったなあ~。行った事はないけれど。

梅図漫画でちゃんと触れたものは、
「わたしは真吾」のラジオドラマ(傑作!大好き)だけです。
なので、私の中で梅図先生はシリアスで切ない作品を作る人、なのでした(笑)

投稿: のん | 2007年8月 2日 (木) 01時06分

のんさん こんばんは
梅図先生は、自分の作品の愛着も並々ならぬもので『おみっちゃんが今夜もやってくる』という怪異譚ではコミックス再編時に大胆な加筆を加えてしまい。初期と後期の絵が交錯する不思議な長編漫画になりました。時はたってもその恐怖感は色あせることの無い秀逸のものです。その作品が浦炭住でも読めるのでやっぱり凄いなーと変な感心をしていました。

投稿: ねこん | 2007年8月 2日 (木) 01時13分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ドドメ~ン!:

« 学びの駅舎 | トップページ | 栴檀は双葉より芳し »