ブロークン・バック・マウンテン ②
こちらがブリーダー宅。ところが建具類は一切ありません。風で吹き飛んだとも考えられますが枠(サッシ)ごと無くなっているので、後からすべて外したというのが妥当な見方でしょう。何故?と思いますが意外に近場で拝借して再利用しているのかもしれません。
前を通る道からここまでおよそ20メートル。雪が少ない冬だったといっても山が近く、気流の関係もあるのか積雪は膝丈以上。ここにつくまでがひと苦労でした。廃校跡を見に行った折に膝丈の坂道を300m進んだことがあり、それに比べればどうということはありませんがやはり体力勝負ですね。近くの山にはスノーシュー(かんじき)の跡がたくさんあったので次の冬にはマイスノーシューを考えたいですね。と思いアウトドアショップやスキーショップに行くと2~3万円!へ~っ高いものだな…
外壁は外壁用鋼板。断熱材もフォームボードを使っているところから犬舎よりも新しいものです。屋根の鬼瓦が不似合いです。これと双璧をなすセンスはモルタル平屋の茅葺き屋根でしょう。この家の新建材が多いところから建具も全てサッシでもったいないので持っていかれたのでしょう。加工が入るといい値段しますからね。
戸板と窓枠を外された家は、当然のこと山の雨風そして雪に晒されました。畳表も風化して藁のように四散していったようです。家屋内部に生活の跡は残っていますが何となく生活感があまり感じられないのはオープンすぎるからでしょうか。
浴槽は使い込んだ感もあり、洗面台、古新聞、買い物籠など…でも肝心の商売に関する部分が住宅にはあまり無いのが特徴です。
今一度、犬舎を見てみましょか。反対側にあった重い吊りドアを開けてみると階段が…
上階は屋根のトタンが破れて雪が吹き込んでいます。その分中は明るい。
ここに部屋がひとつありました。柄入りの曇りガラスにセンスのある遊び心を感じます。
多くの物が残っていますが牛舎時代のものか犬舎時代のものかはわかりません。ストーブや灯油タンクがあることから寝泊りを可能にしていたか、犬舎自体を暖めるか病犬の看護目的があったのかもしれませんね。
ブリーダーの犬に対する愛情はいかほどのものでしょうか。
愛情が深すぎると犬達を送り出せず、酪農業のように生産重視だとなにか工業的で愛玩動物の扱いと言うきもしません。
単を発すれば、『犬好き』なのですが、今まで偶然に見てきたこれら、ブリーダーの城はその命があまりにも短い。それは商売が軌道に乗らなかったのか自分の犬愛に矛盾を感じたのか…
飼い主に忠実に、とても忠実につくす犬達にはもうひとつのドラマがあったのでしょう。でもそこまで知る由はありません。
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コメント
おや、上の写真の屋根に鬼瓦みたいなのがついてますね。
犬はどこにいっちゃったのでしょう?
犬は牛や羊のようにいかないのですね、私も今時季ペットはクワガタだけです、ヘビは外に沢山いるので。
投稿: カナブン | 2007年7月17日 (火) 08時17分
お師匠様 こんにちは
金属製の感じがする鬼瓦で、この急誂えのような家には、妙に不似合いですね。内部のほとんどの部屋が畳敷きなので和風ねらいなのでしょうが。
ここは酪農家が入居していた家ではないようです。(サイロに比べて新しすぎる)
ブリーダーは移転したのか、廃業したのかそれを推測するものが新聞とドックフードの袋の製造年月日くらいで情報が少ないのが問題です。
投稿: ねこん | 2007年7月17日 (火) 12時51分