« 自動車哀歌 ② | トップページ | 果てしない大空 »

2007年7月10日 (火)

拓殖鉄道・河西鉄道交差橋 その後

Dscf5854

 この橋を覚えているでしょうか。haru様の情報提供で、北海道拓殖鉄道と河西鉄道(軽便鉄道)が上下に行きかう交差橋が共に廃線となった現在も雑木林の中でひっそりと存在しつづけているのを知りました。

Dscf6552  おおよその場所は分かったので、現地に行けば分かるだろうとたかをくくって現場へ向かい、高台の上から林の中を覗き込みながら徒歩で降りていきました。その途中、この橋脚を確認し、現場に到着。
 上部を拓殖鉄道が通り、下を河西鉄道が通過するための橋ですが『小さいなー。軽便鉄道と言うくらいだからこんなものかな?』と思いつつ、頭の中には動物園の列車みたいな汽車がガタンゴトン…
 往年の写真と比べてみるとやっぱり似ている。『これだよねー』とルイドロにアップしました。

と・こ・ろ・が…haru様よりコメント『違うような気がします…』

『えぇえええええええぇっ?!』 ミスった?ヤバ…。
haru様から空撮の詳細を頂き『入ったルートが違うなー。こっちから入るんだ…』
やはりharu様!と感心しつつ、とっとと訂正をアップしないと資料を集めているだけに恥ずかしいですね。

Dscf6538  そう思いつつ、はや1か月。雑草が大きく背伸びしだす7月。今日こそは!
haru様も駆けつけてくれるそうで心強い。とはいえ、午前中の用事が押して、途中信号無視の大型車とニアミスしながら現場到着。
 haru様を待たせてしまったようで、ご挨拶もそこそこに現場へ。初対面のこともあり、藪を歩きながら、簡単な自己紹介でいつしか『世間って狭いですね』というようなお話。ねこんの片手には鎌。
 歩く先はいつしか細くなって、拓殖鉄道の軌道跡がはっきりしてきました。通常の軌道の土盛りよりはるかに高さがあり、先に憧れの交差橋があるという雰囲気が色濃くなってきました。

Dscf6532
 と、軌道が急に途切れます。ここが橋台らしい。藪で下がうかがえないので軌道下へ向かいます。思っていたより高さのある軌道を斜めに降りた目の前には正に疑うことなく交差橋の姿がありました。むしろ往年の写真より巨大ではありませんか。高さにして8m程あるのかな?玉石を埋め込んだ擁壁に苔がむしていい感じです。
 下を通っていた河西鉄道の軌道跡も林の木立に飲まれつつも途中までその姿は確認できます。
Dscf6536  『すごいなー』と呪文のように繰り返しながらルイン君(デジカメ)の出番です。
 唯一、国鉄の通らなかった町で輸送を担っていた2本の鉄路が出会う場所。それが林の中でひっそりとたたずんでいました。これがこのまま顧みられないのももったいない話ですね。

 その後、軌道沿いに進むと後年の河川改修工事により軌道の一部が切り取られ、少し先に前回ねこんの思い込んだ橋(近所の方のお話では拓殖鉄道の明渠排水路を越える橋だそうです)がありました。この間は実はとても近かった。100m程度だったでしょうか。
 軌道はやがて高さを下げて山際へ消えていきました。

 始めての合同探査で、フリーライター風のharu様でした。探査暦は、ねこんより長いそうで、行動が裏付けする情報が豊富で尊敬いたします。
 ねこんは、これからですよ。
 また、近いうちによろしくお願いします。

Dscf6533

 その越年を感じさせない屈強な橋台は、さながらバリ島で見られる割れ門のように密林の中に鎮座しています。この門は既に人の通り道ではなく人と精霊の世を繋いでいるかのようでした。間を通り抜けて軌道の切れ目から振り返った時、ここはもうそこではない世界。そんな気がしました。

|

« 自動車哀歌 ② | トップページ | 果てしない大空 »

コメント

さっそくのUP、お疲れ様でございます。
文章に自分の名前が入っていると、なんだか照れくさいですね。
明渠排水路には感動いたしました。
立派なものが交差橋のほかにも残っているんだと。
軍手お返ししませんでしたね。
でも、カエルを触った軍手なんてもういりませんか(汗

また合同探索したいですね。ぜひカナブンさんも!
(↑一人だと中に入る勇気がないからですがw)

投稿: haru | 2007年7月11日 (水) 02時28分

ねこん先輩様 haru様 こんにちは。
北海道再発見の旅お疲れさまでした。
経験の浅い私を刺激的な場所に連れてってください、場所によっては椿物件に招待しますよ。
ヘビを捕まえるのは我慢します。

投稿: カナブン | 2007年7月11日 (水) 12時16分

お師匠様 こんにちは
蛇師のお仕事ご苦労様です。師匠がニコニコしながら袋に蛇を入れているところは見てみたいです。
ねこんは「長いものには撒かれろ」ということで、とりあえず逃げることに。毒を飛ばしたり、5mもジャンプしたり、尻尾をガラガラ鳴らしたりというのは、できれば避けたいので…(どこの国だ?)現場では主にキツネと戦いたいです。

投稿: ねこん | 2007年7月11日 (水) 12時31分

はじめまして

【おとなのコラム】と申します。
読者の方々からお送りいただくコラムなどの書き物を毎週掲載しております。
そして、素敵な作品を書く方を日々探しております。

もし宜しかったらサイトに遊びにきてください。
宜しくお願いいたします。

簡単ですがご挨拶です。
失礼いたしました。

投稿: 【おとなのコラム】 | 2007年7月12日 (木) 20時43分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 拓殖鉄道・河西鉄道交差橋 その後:

« 自動車哀歌 ② | トップページ | 果てしない大空 »