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2007年7月28日 (土)

さよなら枝肉空母 その6 

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 空母の解体は意外に早く開始されました。跡に何ができるかの情報は現場で得られませんでした。(解体の請負のため)解体所が解体されるのは何かブラックな感じもします。
 最新の社屋部分も実質十数年しか使われなかったようです。

 正面から2階は事務所になり、階段をあがると大きな世界地図が目に入ります。経営の視野が国内に留まらないものであったことの証です。この展望は、世界を驚愕させたBSEというハンマーの一撃で脆くも砕け散ったのでした。

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 始まりは事実。やがて風評が誤解に変わり、それは後に養鶏業界にも「鳥インフルエンザ」という形で同様の被害が出ました。過去には、かいわれ大根にも似たようなことが過去にあります。いずれの件も話がパニック的に広がり、商品が店頭から消え、期間を置いて噂は波が引くように風化していくという感じ…

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 現在、スーパーには精肉大手が消えた跡など微塵も感じさせないほど商品が並んでいました。一時は豚肉並みに値崩れを起こしていたものも価格が安定しています。
 時折、近いところからBSE陽性牛が発見されていますが検査時点で発見ということからなのか、BSEに対しての認識が希薄になってしまったのか、はたまた報道自体が抑制されたからなのか、あの騒ぎが何であったかのような気さえしてきます。
 今はもっぱら隣国からの輸入食材で残留農薬が問題にされています。

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 堅牢な精肉要塞は、その構造・設備から解体も約半年をかけて行われ、空母は地中に没したことになります。始まりは突然来て、思わぬ拡大で企業の魂を奪い去っていった…そんな感じがします。
 過去に業界不動と思われていた生乳加工会社が短期間で失脚。近頃では、食肉加工会社の内部構造が問題になり、取引のあった食品加工会社の商品が回収ということもありました。次は何が来るのか?何が起こるのか?食べることは無関心ではいられないことです。

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 解体現場の巨大な鉄骨は青空の下、その躯をさらして何を語っていったのか…そして次は生活の場を舞台に何が起こるのか…
 現場は現在、場所に似合わず月極駐車場となっています。(一時的なものか?)

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 次は何が起こるのか…
パンドラボックスの底はもう見えているのでしょうか…?

枝肉空母は脅威を与えるのではなく、地域に食べることの喜びと笑顔を演出しました。

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コメント

先輩殿
素晴らしい内容です、もう涙するしかありません。
雪の季節から更地になるまでの長期間ご苦労様でした。最後の結末に、箱のデザインなどどうでもよかったと思うしかありません。
このサイズがこうなるとは町も大打撃だったでしょう、あまりその辺は考えたくありません、明日の選挙が北海道の未来を明るくするよう祈るだけです。

投稿: カナブン | 2007年7月28日 (土) 01時54分

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