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2007年7月18日 (水)

焼き場にて ①

Dscf0656

Dscf0644 青い空 ポカンと浮かぶ雲 煙突から出る煙が高い空へ飛び立っていく
ここが雲を作る工場だと思っていた頃 その日は既に遠く…
大人になるためにそぎ落としたもの達を空に帰し続けた焼き場はその動きを止めて久しい
みんなが大人になったわけではなく みんなが落としたものが多すぎたのだろうか
赤錆だらけの煙突は大人になって見上げることを忘れていた空を静かに指差し何を語る…

Dscf0647  町のごみ焼却場が停止して数年経ちました。燃やすべくごみがなくなったわけではなく、焼却によって発生するダイオキシン。すでにおなじみの有害物質です。燃焼効率の劣る釜だと、普通の紙程度のものからでも発生するらしい。高規格の焼却炉でないと発生を抑えられないということで町村設備の焼却炉は、ほとんどが適切ではないことになりました。
 もちろんダイオキシンだけではなく、地球温暖化に関わる二酸化炭素の抑制。そしてごみの再資源化など、ごみ処理に係わる情勢は変わりました。
 でもそれでごみは本当に減ったのかというと決してそうではないようです。

Dscf0645  ごみ処理の有料化や分別の行政指導・民間活動により、ごみの排出は減少傾向に向かいましたが今は少しづつではありますが再び増加傾向にあります。
高規格処理施設に搬入している町村はともかく、参入に至らないところは単独で焼却以外の処理が必要になります。
 この町では再資源化に向けたものを覗いては現在、「燃やせるもの」「燃やせないもの」全てが郊外の山中に埋められています。後に高規格処理施設に搬入するようになるようですが、現在の施設の課動力等考えると現状でも手狭になりつつあります。

Dscf0649  この閉鎖された処理施設は稼働中、付近にえもいわれぬ臭気(腐敗臭)もありました。小学生の頃社会見学でここに来たことがありました。臭くて蠅が多いところという印象しかのこっていませんが、今は焼却に使用したと思われる油の匂いが残っている程度です。
 一時は、ごみ排出量軽減対策として家庭用ごみ焼却炉を行政が購入助勢した時期もありました。それらも町条例等によって無料回収などを得て使用禁止となりました。
ねこんの町では『野焼きを禁止する条例』もあります。他所も同然なのでしょう。

 『人類は自ら出したごみによって滅びる』といった報告が専門家に報じられていたのを何かで読みました。少子化も高齢化もそして、地球温暖化もずいぶん前から学者先生の警告として世に出てきましたが、地震と同じように公も民も具象化しないと動かないものなんですね。学者先生の言うことはたぶん正しいのですが、つながるところに繋がらず論文だけが公表されているように感じて、どこか空しい。

(つづく)

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コメント

おはようございます。
さすが先輩、文章に説得力がありますね、ナイスおとなのコラムです。
このようなゴミ処理場は各町にこっそり存在してますが、ゴミ化したゴミ処理場もダイオキシンの問題で単純に解体とはいかないそうです、町は金がないので煙突が倒れても半永久廃墟でしょうか。
私がUPしたレンガ造りのゴミ焼場も民家がすぐ近くにあります、雲なんぞ製造したら住民からの苦情の嵐ですね。

投稿: カナブン | 2007年7月18日 (水) 08時30分

ここが碑のある処理場です。本体は次回ね。
国道沿いの眺望のいい場所なのでごみに係わる問題がなくてもここでは稼動できなかったのではと思います。
処理場自体が搬入したものを直して使っているのが泣かせます。
余談ですがこの近くに「テケテケ」伝説がありました。

投稿: ねこん | 2007年7月18日 (水) 12時11分

私も幼い頃社会化見学に行きました。
まったく興味がなかったのか、ぜんぜん中身を覚えていません。
でも、廃墟と化した焼却場はすごく興味深いんですよねぇ。

投稿: haru | 2007年7月18日 (水) 23時31分

社会見学に行った頃は、あたりに糠漬けのような匂いがしてまともに見ませんでした。今になって見てみると巨大な鉄の箱があって楽焼用のガス釜みたいという印象でした。うちの近くの大きな処理場も一度見学に行きましたがごみ処理施設とはいえ、巨大なピットは圧巻でしたよ。

投稿: ねこん | 2007年7月19日 (木) 17時57分

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