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2007年6月20日 (水)

希望の家 ②

Kibou

Dscf0806  この家の脇、壁がグレーになっている部分は、五右衛門風呂の釜が転がっているので別棟でお風呂とトイレがあったようです。
 牛舎の向こう側にも作業機の車庫らしく倒壊した残骸が残っています。在住時は屋敷回りにも防風林があり、それなりに手入れされた庭もあったことでしょうが、今は、この地に忽然と現われたようにも見えます。近くを走る幹線は朝夕の通勤時間帯は交通量も多く、道警のネズミ捕りも頻繁に見られます。車上から何気なく目をやってもこの家が廃屋とは気がつかないでしょう。

Dscf0819  住宅も牛舎も暴風のためか、荒らされたのかガラスは全て割れてほとんど残っていませんでした。
 幹線沿いにあるのですが、元は町道でここが廃屋になったあともしばらくの間は現在ほど交通量は無く、静かな場所でした。高速道整備に伴い沿線は企業用地と環状道路が作られました。いずれ、この辺りの農村風景も失われていくのでしょうか。

Dscf0805_1  市街地近郊の酪農は宅地拡大によって徐々に営農が困難になります。宅地化のスピードも速くなることから立ち並ぶ住宅の合間にポッカリとサイロが建っていたりということも無いことではありません。札幌のような大都市でも比較的中心部に廃業しているとはいえ、牛舎・サイロが残っているという不思議な光景も目にしたことがあります。

Dscf0820  この町では建築制限領域を設けて、農地を守る動きもなされながら後継者等の問題で営農を断念し、畑は買い手・借り手がなければ雑種地と称した原野に戻っていきます。半面、現役をドロップアウトした世代が都会の喧騒を離れて郊外で半自給自足の暮らしを求めて小さな土地を耕作しています。
 こういった家がそんな方々が手直しして入居ということもまれにあり、『この辺りに廃屋があったな…』と探していると記憶にあったその家は、修復されて『あの家が?』と思うほどの姿に生まれ変わります。古民家再生も全国的には小さな動きですがブームになっているようです。それはそれで嬉しいことです。

Dscf0815

 この家も誰かの目にとまり、そんな転生をして欲しいものです。ブロックの壁はまだまだしっかりしているのだから

 明日は『希望の家』の所以に触れてみます。     (つづく)

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コメント

札幌のサイロとは馬場農場のことですね。
先日札幌のことを調べてたら見つけました。
不思議な光景ですよね。住宅街の中の巨大なサイロ。

今度札幌に行きます。
札幌の文化財を片っ端から見てこようと思ってます。

投稿: haru | 2007年6月20日 (水) 17時39分

haru様 こんにちは
牧場の名前は知らなかったです。
札幌も目線をかえると面白いものが、たくさんあります。
例えば「ホテル ●ークラ」の前に記念碑があるのですが、上に乗っているのがストーブ。何故ストーブ?調べてみましたが今だ答えにに行き着かず…
 体力と時間が許せば、丸山の登山道をおすすめします。明治の原生林が保存されていて、四国八十八箇所の地蔵群があり、頂上は札幌市内を眺望できます。ここは、産業遺跡にもなっていて只今、調べ中です。気温が高いとかなり汗をかきますが、あの光景は見る勝があります。(着替え必要)

投稿: ねこん | 2007年6月21日 (木) 14時46分

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