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2007年6月 6日 (水)

巨大生物に襲われた廃屋

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 以前『ドラッグ中毒』のトップに登場した廃屋です。見通しの良い高台にあり、回りの景観は申し分ありません。その分。真夏と真冬はきついかもしれませんが…
 ようやく日の出を迎えたばかりで新鮮な空気の中、草原に囲まれたこの家へ向かいました。幹線道から程よく離れているので、草原をそこそこ歩きます。元は家に通じる道もあったのでしょうがすっかり草原に呑まれて痕跡も残っていません。

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 この住宅、左の大部分は和風の作りですが右側は全くの洋風。それも回り込んでみると異国の香りがする作りです。
 豪農とまでは行かないまでもそこそこ力のある農家だったのでしょう。それにしても右と左で基礎も全く異なる造りです。

Dscf3532  この住宅、実は毎年、5月から10月までの間、巨大生物に取り囲まれます。それというのもここは現在町営の育成牛の放牧場の敷地になっていて、この屋敷の土地も離農の際に買い取られたのでしょう。暑い夏の日など、この屋敷回りは日陰を求める牛のたまり場になります。それだけではなく、家のあちこちで牛達がかゆい横腹をこすりつけるので家がどんどん傷んでいきます。

 辺りの木立も生贄になり、樹皮が剥がされてしまうので立ち枯れする木も少なくありません。
 家には板張りが施されていますがこれは、人の侵入というより牛の侵入防止のためのようです。約半年の間、辛抱して牛の猛攻から開放される屋敷はモルタルの角あたりが丸くなったり変色したりしていました。

Dscf3535  中はと言えば、やはり風当たりが強く、屋根を葺いたトタンがかなり散らばって雨風の侵入により、あちらこちらが苔むしているようです。床もすでにボロボロ。

Dscf3541 一方、和室の方は 、南側に位置するため比較的痛みは少ないですが床に近い辺りは、牛によって壁が剥がされ。 部屋の中が見えるほどの状況でした。

 納屋や物置などの類は一切残らず、屋敷だけが残されたのは、近くに管理詰所らしきものもあるので当初、牧場事務所として使われていたのかもしれません。

 今では、育成牛に取り囲まれる以外は松の木の下枝を剪定した際のごみ箱代わりにされているようで随分とまた、ぞんざいな余生ですね。

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コメント

おはようございます、ちょっとセレブナ廃屋ですね。
この家も牛にやられたんですね、どうしてう牛は家に入ってくるのか不思議です。
子供の頃、近くの商店へ買い物に行く途中、逃げた豚が道路を歩いてるのもよくある日常でした。夜の豚は怖かった。

投稿: カナブン | 2007年6月 6日 (水) 08時04分

 だだっ広いばかりで娯楽性の少ないこの牧場の牛たちの間で大げさに廃墟ウオッチングが流行しているようです。遠巻きに見てるだけ、中を覗いてみる、中には荒らし行為に走る牛もいて私たちの縮図のような光景です。
今年も入牧シーズンなので廃屋の回りに牛がたむろしています。
 ただし、今行くと牛泥棒の名を欲しいままにしてしまうかもしれません。

投稿: ねこん | 2007年6月 6日 (水) 12時15分

ああもう!なんて嬉しい物件を調査してくれるんでしょうか。
この廃屋は通るたびに見とれてしまいます。

投稿: haru | 2007年6月 7日 (木) 01時03分

牛に取り囲まれているところも撮りたかったのですが、このときはまだ乳牧シーズン前。屋敷回りは特に牛の落し物が大量に分布しています。
 ●追町の町営牧場近辺で「エゾ鹿牧場」の遺構探しをしたとき(今だ見つけられず)にも、廃屋をひとつ見つけました。こういうところは町営牧場になる前はやはり、個人の土地だったのでしょうね。

投稿: ねこん | 2007年6月 7日 (木) 12時58分

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