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2007年6月16日 (土)

緑に抱かれたユリの花 ② 

Gakubuci  

Dscf5681  まだ、午前中だったため、小鳥のさえずりと共に遠くのカッコウの声が心地よく響いています。ちょっとセミには控えめにしていただきたいところです。
陽は既に頭上に来ていましたが木立に囲まれた敷地内は、清清しい風も吹いています。
 閉められてから30年近い月日を経過したこのホテル内は閉ざされた期間も長かったため、カビ臭さも残っています。開け放たれた箇所もあり、さほど気になりませんが…

Dscf5679 利用客の落ち込みで、ホテルの今後を検討していたようですが結果的に閉鎖して再就職の道を選択したようです。採用見合わせ書など、再就職模索の痕跡がありました。
 これ以上、家族のその後のことは他人の計るところではないでしょう。

 残されたホテルは記憶の缶詰として封印されていましたが、いつしか都市伝説といくつかの事実によって、いわゆる心霊スポットと化していきました。寂れていく建物の宿命なのでしょう。
 戸口は破られ、ガラスは割り放題。タバコの吸殻、ビールの空缶、不法投棄、破壊など…肝試しの名の下に辱められていくホテル。それすらただ謙虚に寛容に受け入れた功労者は、緑の癒しに囲まれて自然に戻っていくようです。
 人の時間的感覚を別にすれば人工の建造物が自然に帰るのは意外に容易いことなのかもしれません。

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Dscf5672  2階の客室のほとんどの窓は目張りされているため、室内はとても暗い。外から染み込んでくる光も緑の照り返しで、中が緑色に染まり幻想的に見えます。

 それぞれの部屋の作りは、ほぼ同じですが洋室と和室があり、ベッドを据えているか床が畳しきかといった差しか見受けられないシンプルなものです。一部ベッドを壁に組み込んでいる部屋もありますが基本的に部屋とバス・トイレの造りで、備品はベッドのほかは洗面台と暖房機程度。

 いくら数十年前の物件とは言え、当時もラブホテルのデザインは内装・外装共に激化し、『丘の上のお城は何だろう?遊園地かな?行って見たいな』と子供心に思うような見た目の派手なラブホも乱立。現在は派手すぎるのも敬遠されるようでシティホテル調もしくはセレブっぽい造りが主流なようです。
 そんな時代にもまれながら『ゆりの花』はその開花期を終えていったのでした。

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 ゆりの花言葉 『変わらない愛らしさ』 まさに変わることをしなかったようです…
(つづく)

★昨日の問題の答え
 『音のしない世界を音で表現するには?』→時計(柱時計)の音だそうです。知ってた?

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コメント

かつてこれほど違った視点で、この物件を紹介したサイトがあったでしょうか。
さすが先輩、心に響く見せ方をしてくれますね、私も小学1年生から国語の勉強をやり直したい気持ちです。

投稿: カナブン | 2007年6月16日 (土) 07時59分

さすが御目が高い。
その辺がテーマです。
いわく付きは人の間だけのことで、ここは自然の宝庫です。

投稿: ねこん | 2007年6月16日 (土) 08時28分

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