石亀、平和の海へ帰る ②
始めて、ここに来てトーチカの群に出会ったとき、思い出したのが『猿の惑星』。
3人の宇宙飛行士の乗る宇宙船が航行中に機器のトラブルで地球と似た状況の惑星へやむなく不時着。そこは無人の惑星と思いきや独自の文明を持つ、オランウータン・チンパンジー・ゴリラの猿族が統治する猿の惑星であった…そして、この惑星には人類もいた。しかし、高度な文明を持つ猿たちに反して言葉さえ持たないまでに下等な種族になってしまっていた。
猿族は人間を狩り、家畜や奴隷として虐げていたのだが、そんな地球とは相反する世界に投げ込まれた3人はやがて仲間を猿たちのために失い、残ったひとりは猿族の首長であるオランウータンを人質に逃亡を図る。
逃避行の果て、逃げ延びた最後の一人は猿族が忌まわしき場所として立ち入ることのない地域に入ることに成功。
しかし、そこで見たのは信じられない光景であった…
…と、まあ全部書いてしまうと見ていない人に失礼なので要約しますが(リメイクもあったし知らない人がいるかな?)、この砂浜でトーチカ群を見たときのショックは、この映画のラストシーンに近いものがありました。
それを見て『トーチカ?』とは思いましたが何せ、なんの事前知識もなく忌まわしき戦争からほど遠い世界で生きている自分にとってこんな近くにある戦跡はかなりの衝撃です。
それも海から来る敵を迎え撃つ防衛ラインですから、後の調べで配備はしたが使われることはなかったと知るまでは、ここは戦場であったと思いました。
これだけのトーチカが残されている場所(元々半地中に築かれていたが海水の浸食により完全に露出して海岸にるいるいと横たわっているので『残されている』という言い方は当てはまらないかもしれません)は、実はそれほどあるわけではなくこの辺りの海岸の開発がさほど進まなかったことと戦後の駐留米軍が破壊しなかったことがある意味幸いしていたようです。
1メートルほどの深さの穴に築かれ、完成後に土を被せるという造りで、実際にはこのようなトーチカは艦砲射撃にあえばこっぱみっじんに飛び散る脆いものであったようです。
使われなかったとはいえ、水際に置かれた陣地は即戦争をイメージするものにはちがいありません。 (つづく)
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コメント
う〜ん、猿の惑星ですね!さて、いつ行こうか。なぜか勝手に使命感に燃えてきました。
しかしここを訪問した後、別の困難物件に行くとは先輩の体力とルン君の体力には感心します。
投稿: カナブン | 2007年5月31日 (木) 20時40分
私もいつかここに行こうと思います。
この季節の海はまだまだ寒そう・・・
投稿: haru | 2007年6月 1日 (金) 00時44分
☆カナブン師匠様☆
一番の働き者はルン君です。画像がないと商売(?)上がったりです。
☆haru様☆
この日は5月10日でけっこう暖かかったですよ。
霧雨に当たることが多かったのですが珍しく晴天でした。
廃校や旧国鉄あとを辿りながら南下していくと丸一日かかり、やはり十勝は広いな~と思いました。
投稿: ねこん | 2007年6月 1日 (金) 06時18分