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2007年5月22日 (火)

廃ボウリング場の闇に潜むもの 潜入編①

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 元町民の方からコメントを頂きました。ありがとうございます。
 Y市の炭鉱やK町の旧国鉄線橋梁群などのように産業遺産としての意味づけには該当しないのかもしれない『●ボウル』。でも、ここも当時の面影を伝える文化遺産ではないかと思えます。

 その内部は、まるでカタコンベのように外と隔絶していて独特の空気感があります。
 湿気がありながらも冷ややかでカビ臭く、さほど奥までいかないうちに完全な闇。厚い鉄筋コンクリートの内部は5月とは思えないほど低温でどちらかというと寒い…(I町で低温貯蔵庫に利用されるのは、これを逆手にとってのこと?)
 防塵マスクを付けながら少しでも闇に慣れないかと目を凝らしてみましたが、内部は暗いというよりも暗闇を幽閉したかのようで、重い雰囲気が漂っていました。
これだとよからぬ噂も立ちかねないですね。

 廊下を奥へ進むとほどなく床が崩壊している部分。なんとか通り抜けられないかとつま先でつついてみると床板はウエファースのようにポロポロと崩れ落ちるほど痛んでいました。立っているところも歩に合わせて横の壁が軋んできます。ここを進むのは回避します。横の壁板が剥がされているところ(本来は壁)から脇の部屋へ直接入りました。

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 と、いきなり広い空間。ハンドライトの光では端まで照らし出すことができない遊技場部分。しかし、ボウリングのレーンや機器の類はまったくありません。

Dscf4431 心霊現象以前に噂の出現場所そのものが存在しなかったことになります。どこが2番か3番か分からない広いワンフロア。機器類は、すでに閉館時に処分されていたようです。 この広いホールは当時、2次利用が予定されるも得策のないまま時の流れから忘れられていったのでしょう。

 管内近郊町での二次利用の例としては、
S町=トレーニングウエア工場(現在解体)
O町及びO市=スポーツ施設(現在解体)
I町=農業関連低温貯蔵庫(現役) 等…

ほとんどは同ボウリングブーム期の建設のため老朽化し、数年前まで残っていたものも改装より解体が選択されました。
 このボウリング場は、老朽化の度合いはあるものの他町と比べても明らかに異なる屈強な建物で、このまま放置されてもまだ20~30年は外観に歪みもなく残るのではないでしょうか。

Dscf4427  闇の中に何かが見えてきました。ボールが結構な数残されていて横たわる壁の残骸にめり込んでいました。放置されたものを壁にぶつけて遊んでいた人がいたようです。入ってきたところの壁も同じように『きもだめし』と称する荒らし行為に攻撃を受けて壊されたようです。天井は壁紙が湿気で剥がれだし、雨水の侵入もあるのか数箇所大きな崩壊部分もあります。
 外から見ると、建物の大きさから上下2階建ての造りを予想していましたがワンフロアのみでした。ただ、間口のほとんどをレーンに使用していたので左右30レーン位はあったでしょう。

Dscf4475   レーンへの入口(段違いになり、物置などの棚がある部分)が当時のまま残っています。
この辺りから周囲は鳩の糞が一面に堆積しています。防塵マスク無しではかなり体に悪いですね。どうもこういうところには(広いけど暗いところ)には野鳩が営巣する習性があるのか廃校や廃工場にも同じように糞まみれの場所があります。
 鳩の死骸もかなりの数、落ちていてバリケードの修復時に建物上方の明かり取り窓のガラスを割られた部分が網で塞がれたため、出られなくなったのでしょう。
 正面のちょうどバリケードの裏側まで来るとガラスもかなり割られて欠片が散らばっていました。

「カター…ン」 小さいながらも何かの動くような物音。辺りをハンドライトで照らしてみましたがこの広さゆえ、奥までは光が届きません。たぶん、鳩がまだ生き残っているのかな?

     たぶん…

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つづく

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コメント

ついに潜入ですね。実に興味深い…。

私自身は妙な噂を聞いたことがありません。物心ついた時にはバリケードで囲まれていたことを考えると、もう少し上の年代の方が何か知っているかもしれません。10歳の時にはこの地を離れてしまったので、なかなか今現在も繋がっている人は少ないですが、機会があれば聞いてみます。(両親に聞くのも一つの方法かもしれません。)

投稿: その町で産まれ育った者 | 2007年5月22日 (火) 23時46分

レーンも当時のまま残されていると期待したのですが、処分して現金化したようです。内装でとても30年前とは思えない部分もあります。
今でも駐車場は遊びに使うことが可能なようです。(敷地自体に立ち入り禁止の処置がないので)

投稿: ねこん | 2007年5月23日 (水) 12時59分

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