廃ボウリング場の闇に潜むもの 潜入編④
ふと、思いましたが自分の手もまったく見えない闇を体験するのは何十年ぶりでしょうか。夜が暗いのは当たり前とはいえ、外灯がなく、星の見えない曇り空でも夜空に稜線を確認できたり、ポケットから出した小銭の種類くらいは分かるようで、本当に真っ暗な闇を体験することは意外に少ないのかもしれません。そんなことを思いながら濃縮された闇をひとり歩いているのも妙な気がしました。この闇の中からいきなりホッケーマスクの怪人が…なんてことが頭を過ぎると少し恐怖感が頭をもたげてきました。
ちょっと恐怖体験風に行ってみましょうか…
防塵マスクをしているとはいえ、カビの匂いが鼻をつく牙城の中にいます。
ここは人の世から封印され長い間、現世と隔絶されてきた場所。
ボウリング場ながらレーンは既に無く一面の広いフロアの中、ひっそりと並ぶ棚が墓標のように見えました。
比較的最近と思われる鳩の屍骸が点在しています。目立った外傷も無く、飢えていたようにも見えませんが何があったのでしょうか?
こちらにも、あちらにも…まるで何かに魅入られ、取り殺されたかのように…
頭上を見上げたところどころで崩落が始まっている天井の穴が不気味に口を開け、そこからこの世のものではない何かが様子を伺っている…そんな気もしました。
気が付くと向こう側の壁に奥へ続く通路があります。この広さゆえ、ライトの光が届かなかったとはいえ、忽然と現れた通路のその先にはいったい何があるのか?不安と好奇心のはざまで揺れつつ奥へ入っていきます。
そこにあったのは、「トイレ」。 なーんだ…と少し安堵をつきながらライトを中へ向けると手洗い場の大鏡でした。30数年前とは思えないほど現代的な作りです。ここだけ見ていると廃墟とはとても思えません。…待てよ、あれは?
手洗い場のカランに気を取られていました。鏡に映る反対側の壁に奇妙な汚れが…これは何? 血で書きなぐったような巨大な文字(のようなもの)。これは何かのメッセージなのか、それともここに入った者への警告なのか。背後に大きく広がる闇が重くのしかかってきました。
言いようの無い不安に駆られてホールへ戻ると、ここに入ってきた位置を見失っていました… いたずらに歩き回るよりも壁沿いに進んだほうが良いと判断し、進んでいきます。本能的に壁際なら闇を片側のみにして警戒できると思ったのでしょうか。気が付くと歩調も速くなっていました。ややあって先のほうにまた、通路を発見。様子を伺います。
中は壁紙も貼られておらず飾り気のない部屋ですが広くなっています。大きなタンクやパイプがあることからボイラー室と思われます。脇に窓とドアを見つけ、ノブをひねってみますが開ける事ができません。このドアは鍵がないと開かないタイプのドアのようです。窓のほうはワイヤー入りのガラスがメチャメチャに割られ欠片が散らばっています。
まるで取り乱して強引に脱出を試みたかのようでした。割れたガラスの向こうは押してもびくともしない厚い板で外側から封印されています。
ここは外からも入りにくいが、中から出ることも難しい…そう思ったとき
「キー…ン…」
ホールの遠くの方から金属を床に落としたようなラップ音。
「ここには、やっぱり何かいる?!」
さて、ねこんの運命やいかに。闇の中にいたものは何なのか?そしてこの恐怖の城から無事脱出することができるのか?
この続きは明後日といたしまして本日のところは、これまで!
なんか、紙芝居みたくなっちゃいました。
いやーっ廃墟ってホントにいいものですね。(←それは映画)
(次回完結)
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コメント
おはようございます。
これらの写真もルンくんでの撮影でしょうか?
ストロボなしでは不可能なこの物件、ルンくんのバッテリーが心配になります。
方向音痴の私が入ったらホントに出られなくなるかも。
さあ、もっと奥へ行きましょう!
投稿: カナブン | 2007年5月25日 (金) 11時01分
そーなんですよ。バッテリーが危ないので予備をポイント買いで購入しました。ピンとも合わせられないのでハンドライトで照らしておきながら…という撮り方です。
でも、片手ハンドライトだと辛いので頭につけるのが欲しいですね。
投稿: ねこん | 2007年5月25日 (金) 12時12分