疑惑の廃墟 警察犬訓練所(2)
この内部からの様子からして、犬舎であることは間違いありません。
しかし、裏付けの無い推測も無責任な気がするので、この時点では家畜(特に仔牛)や独房のことを『ペン』ということがあるので仮に“ペン”と呼びましょう。
このペンは左右に6室づつ、所によっては上下2段の構造ですがおおむね、単独の個室に」なっています。入口付近にもペンにも給餌容器や餌自体が見当たらないので『犬』用とする確証がありません。それよりも酪農関連の遺物、例えば送乳缶(昔の牛乳出荷用の金属製容器)や酪農用消毒液のプラ容器が目に付きます。
この建物を出て、確証のあるものはないかと敷地内を見回すと電力会社の置いているもののほかには、車庫・住宅そして遠巻きに屋根が落ちて柱だけの骨組みだけになった廃屋(これが牛舎?)が見えました。取りあえず住宅の方を調べてみましょう。
玄関口は開け放たれていて、久しぶりの訪問者をまっていたかのようです。一歩足を踏み入れると家の奥から空気の動く気配がしました。玄関から居間へ上がると…いきなりベッドがあります。
しかし、荒れていますね。敷物や壁には多くのシミ。この荒れようは単に越年によるものではないような…廃墟化以前にかなり汚かった様子です。ベッドの横にも檻のようなものの残骸があります。
さらに不可思議なのは壁にビニールや絨毯をはりつけてあることで、やはり当初の推測からしてドッグブリーダーでしょうかね。ブリーダーだとしても住宅内をこれほどの状態にして犬を住居内に入れるものなのかはわかりませんが…少なくとも貼り付けられた絨毯は壁自体か壁に突撃するものを守るものなのでしょう。数枚重ねられた絨毯の上に更に敷かれた床のラグも尋常ではないほどシミだらけになっています。
次の部屋は奥行きがあって二間を通したところです。絨毯は幾重にも敷いてあり、昼寝布団やバスマット、キッチンマットなどいろいろなものが重なり、家具は部屋の両側に押入れを塞ぐように寄せて並べてあります。窓が一部破れていてここから風が通り抜けていたようですね。
奥の壁に『おっ!』ブリーダーズチャンピオンシップの歴代受賞犬のポスター(ドイツ語らしい)を発見。普通には手に入らない業界用のようなもので、やはり廃酪農家を利用したブリーダーのようです。するとこの部屋の中の奇妙な構造は犬を室内飼い、それも尋常でない頭数の犬が寝食を共にしていた感があります。
いくら犬好きとはいえ、商品となるものをそういう風に扱っていたのでしょうか…?
それとも、好きで始めた商売が溺愛のあまりに一線を越えてしまっていたのか?
それにしては、はじめのペンは決して犬たちにとっては快適とはいえない環境です。
(つづく)
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コメント
ここのブロガーさんへ
まだこのコメントを読んでいただけるのでしたら嬉しいです。
ここの訓練所の廃墟の位置情報を教えてほしいです!
投稿: ゆうき | 2018年7月 7日 (土) 00時51分