たわわの幸福
天井から吊り下がった裸電球ひとつ
それすら目立たないほどに重なった名刺・葉書そのほか、ここを訪れた人々の思いを託した一葉の紙切れ。中にはキャンプ用品のコッフェルまで見えます。
言い方を替えると個人情報の集製材で建てられたようなここは旧国鉄広尾線『幸福駅』の駅舎。その名は誰もが知るところですが現場でこの光景を見るとすさまじく圧巻的です。ともかく幸福は『貼る』ことで得られるようです。
昔のテレビドラマなどの影響で廃線前から訪れる人が多く、ピークはとうに超えたとはいえ、入場者の出身地も全国津々浦々。外国人の名刺もかなり見えます。特にお隣の国の名刺はゴージャス!(物価の高い日本に来るくらいだから裕福なのでしょう)ほとんどブロマイドのようなスタジオ撮影写真が片面に刷られています。
近くに台なんかないのにどうやって天井に貼っているんでしょうね。台でもかしてくれるのかな?
隣の『愛国』駅も観光スポットですが雰囲気ではやはりこちらの方が絶品です。
『廃墟』とは明らかに趣は異なりますが『廃校』と同じく『廃』の冠は取れないまでもその後の変貌に驚かされることもあり、ポジティブな『廃』といえるかもしれません。
更に駅の名前と独特の雰囲気のためか、『廃線』・『廃駅』の寂しい雰囲気よりのんびりした感がここにあります。
駅傍の道は、元『メルヒィエン街道』と呼ばれ、現在鎖国状態の『G王国』へ至ります。今だ黒船も現われず平坦な田園風景の中に古城を晒しています。
『大きな夢よりも小さな幸福を願う心の方が強い』ということでしょうか。
日本一切符の売れる『廃駅』でした。
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コメント
身近な風景なのになぜか懐かしく感じるんだよね、ここは。
最近は素通りして直G王国だけど。
スキー場はスキーを持って登ったのですか?歩いて降りたのならもったいない。
投稿: カナブン | 2007年4月27日 (金) 12時35分
思ったより雪があって現場に行ってから滑られたな~と思いました。でも、登りの荷物が増えるので完全徒歩しました。
幸福駅に昔貼った名刺を探しましたが、すでに埋もれて解りません。師匠の名刺はないですか?
投稿: ねこん | 2007年4月27日 (金) 14時56分